日本でのスーパーフードブームを牽引しているといっても過言ではないのが、このチアシードです。
チアシードの歴史
チアシードの原産国は、メキシコ中西部からグアテマラ北部の山岳部。
シソ科サルビア属の一年草であるチアの種子です。
古代文明として栄えたアステカ、マヤ、インカの人々にとっての大切な食料であり、通貨の代わりとして、また宗教的儀式では神への捧げ物として大切に扱われていました。
そして今チアシードの栄養価の高さが注目を浴びたことで、再び世界中でブームが巻き起こっています。
特徴
「チア」とはマヤの言葉で「強さ」を表しています。
その名前にふさわしい栄養価を誇るチアシードは、たった大さじ1杯程度のチアシードと水だけで、私達は1日生きることができると言われています。
チアシードの特徴の一つは、水を含むと何倍にも膨らむ性質でしょう。
チアシードの周りにあるゼリー状の物質はグルコマンナンで、これにより少量でも満足感を得ることができます。
また味に癖がないのも特徴で、料理やスイーツ・ドリンクなど、合わせるものを選びません。
チアシードの外殻は柔らかく消化吸収にも優れていて、プチプチとした食感を楽しめます。
栄養成分
豊富な脂肪酸とタンパク質
チアシードの約30%は脂肪酸で、そのうちの約60%はオメガ3系脂肪酸(αリノレン酸)です。
オメガ3系脂肪酸は現代人に特に不足しがちな脂肪酸ですが、チアシードに含まれるオメガ3系脂肪酸はフラックスシードやクルミ、エゴマや鯖よりも多いと言われており、サーモンの約8倍も含まれています。
このオメガ3系脂肪酸は、代謝を促す効果や体内の炎症を抑える効果などが注目されていますが、幼児の神経や脳の機能発達にも不可欠な成分で、細胞のクッション性を高めしなやかな肌へと導きます。
またチアシードの約20%はタンパク質で構成されています。
このタンパク質は必須アミノ酸を8種類含んでおり、植物性のタンパク源としては非常に貴重なものです。
豊富な食物繊維
チアシードの特徴の一つとして、水に浸すとゼリー状に固まるという点がありますが、このグルコマンナンは食物繊維の一種です。
チアシードの約40%を占める食物繊維のうち、95%程度を占める不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して膨らみ、腸の蠕動運動を促すことで便秘の解消に役立ちます。
一般的な食品の数倍の栄養素を含む
ミネラルや微量元素も豊富で、一般的な食品よりも数倍含まれているのがスーパーフードの特徴でもあります。
チアシードに含まれるカルシウムは牛乳の約6倍、カリウムはバナナの約2倍、鉄分はほうれん草の約3倍、マグネシウムはブロッコリーの約10倍以上も含まれています。
- タンパク質
- カルシウム
- カリウム
- 鉄
- 亜鉛
- マンガン
- 銅
- セレニウム
- モリブデン
- ビタミンB群
- ナイアシン
- 葉酸
- 食物繊維
- αリノレン酸
- 抗酸化物質・・・など
期待できるメリット
- 便秘解消
- ダイエット効果
- 代謝促進
- 幼児の神経や脳の健やかな発達
- バランスの良いたんぱく源・・・など
選び方・利用方法
このように素晴らしいメリットを多く持ったチアシードですが、オメガ3系脂肪酸を豊富に含むことから、加熱はできるだけ避けるようにします。
オメガ3系脂肪酸は酸化しやすく、熱に非常に弱い性質を持っているためです。
チアシード自体も非加熱のものを選ぶのが最もお勧めですが、残念ながら現在日本での非加熱のチアシードの流通は法律で認められていません。
そのため、それ以上の酸化を防ぐためにも、チアシードは加熱調理しないで摂取するようにしましょう。
1日の摂取量は、約10g以下を目安としてください。
脂肪酸が豊富なチアシードは以外にもカロリーが高いため、体にいいから、ダイエット効果があるからと過剰に摂取すると逆効果となる可能性があります。
チアシードのゼリー感とプチプチ感を楽しむために、お勧めの利用方法はスムージーやドリンクにプラスする方法です。
デトックスウォーターやコールドプレスジュースにプラスすることで、さらに栄養価を高めながら楽しむことができます。
またナッツミルクにチアシードを浸しておいてできるチアプディングもお勧めです。
詳しいレシピなどはLesson28-9でご紹介します。