アサイーの歴史
アサイーはブラジルのアマゾン熱帯雨林が原産であり、過去数百年に渡り、アマゾンに住む人々の貴重なスタミナ源として愛用されてきた歴史を持ちます。
原住民族は木に登って採取したアサイーをすりつぶして主食としていたようです。
その栄養価の高さから、「スーパーフルーツ」「奇跡のフルーツ」として知られていましたが、以前までは劣化の速さから流通が難しく、原産国でのみ消費されていました。
しかし近年、テクノロジーの発達により、冷凍させたアサイーピューレや乾燥させたアサイーパウダーが誕生しました。
それにより、まずはブラジル全域に、そして今や世界へと広がりを見せています。
アサイーピューレにフルーツをたっぷりのせたアサイーボウルは、ハワイフードとして日本でも爆発的な人気となりました。
特徴
アサイーは青紫色の実で、その見た目がブルーベリーに似ていることから、ベリーの一種だと思っている方が多くいますが、実はヤシ科の植物です。
ヤシ科であるアサイーは赤道に近い熱帯地域でしか育ちません。
このような地域は紫外線が強く気候が過酷であり、アサイーの自分たちが生き残るために紫外線から身を守る必要がありました。
それによって得たものが、強い生命力と強力な抗酸化物質です。
栄養成分
豊富な栄養素をバランス良く含む
アサイーには、豊富な栄養素がバランスよく含まれているのが特徴の一つです。
オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸の必須脂肪酸に加え、オメガ9脂肪酸やオレイン酸の含有量が多く、これらの質の良い脂質には美容効果が期待できます。
また他の栄養素も一般の食品と比較して格段に高いのが特徴です。
腸内環境を整える食物繊維はごぼうの約3〜6倍、骨粗しょう症や筋肉痙攣予防につながるカルシウムは牛乳の約3倍、むくみ防止には欠かせないカリウムはバナナの約3倍、酸素を体中に運ぶ役割を果たす鉄分はレバーの3倍・プルーンの約10倍、現代人に不足しがちなマグネシウムはブロッコリーの約9倍も含まれています。
また妊婦さんに重要な葉酸も含まれており、鉄分と合わせて貧血防止、造血作用が期待できます。
高い抗酸化作用とORAC値
アサイー=アンチエイジング効果があると記憶されている方も多いでしょう。
そのイメージ通り、アサイーは高い抗酸化作用を誇ります。
ポリフェノールは赤ワインの約30倍も含まれており、抗酸化物質であるアントシアニンは眼精疲労回復を助け、シミ・シワを予防するなど美肌効果が期待できます。
またアサイーはORAC値の高さもトップクラスです。
ORAC値とは活性酸素吸収能力を示す値であり、アメリカで研究、注目されている数値です。
ORAC数値が高いほど活性酸素吸収能力(抗酸化力)が高いということになり、細胞膜にダメージを与える活性酸素(ROS)のひとつペロキシルラジカルに対する抗酸化力を検査分析した結果が、ORACスコアで数値化されます。
この値は1996年にアメリカの農務省で採用されており、食品などに含まれる抗酸化物質を分析する新しい指標として注目されています。
アサイーは世界トップクラスのORAC値を誇ります。
※最近の研究で、食品中のORAC値は人体に対する健康の影響・抗酸化力には関係がないことが明らかになってきています。
アサイーの健康効果が魅力的なのは変わりませんが、ORAC値を根拠にその効果を測ることは難しいという見解もありますので、目安として頭に入れておきましょう。
幹細胞再生・生成の助長
近年の研究において、アサイーが幹細胞の再生と生成を助けることが分かってきています。
幹細胞とは、私達の体を形成している細胞の元となるもので、幹細胞の生成量が多いほど体の再生能力が高くなり老化防止や長寿に繋がります。
- 必須脂肪酸
- アミノ酸
- 食物繊維
- ビタミンA.C.E
- ビタミンB1.B2
- リン
- 鉄
- カルシウム
- 亜鉛
- ポリフェノール
- アントシアニン
- 葉酸・・・など
期待できるメリット
- アンチエイジング効果
- 美肌効果
- 眼精疲労回復
- 骨粗しょう症の予防
- 筋肉痙攣の予防
- 貧血改善、造血作用
- 疲労回復
- 脂肪燃焼、ダイエット効果・・・など
選び方・利用法
日本で手に入るアサイー製品には、冷凍されたアサイーパルプ(アサイーピューレ)やフリーズドライのアサイーパウダーなどがあります。
どのような製品を選ぶ場合にも、できるだけ化学農薬や人工肥料が使用されていないオーガニックのものを選ぶようにしましょう。
また、フェアトレード製品を購入することで、産地に住む人々の支援にもなります。
冷凍されたアサイーパルプ(アサイーピューレ)には、砂糖が添加されているものと添加されていないものがありますが、アサイーボウルなどを作る場合には、バナナをあわせることが多いため、砂糖の添加がないもので甘みを調整するとよいでしょう。
フリーズドライの製品は、できるだけ色が濃いものを選ぶようにします。
アサイー製品にはこの他にも、デキストリンが添加された淡いピンク色のスプレードライタイプと、食物繊維と脂肪分を取り除いた原液液体タイプがありますが、個人的にはアサイーパルプ(アサイーピューレ)やフリーズドライのアサイーパウダーがお勧めです。
また現在日本ではアサイーの流行により、清涼飲料水にアサイーを混ぜたドリンクやお菓子なども販売されていますが、アサイーの含有量が非常に少ない上に、砂糖や添加物が多いためお勧めできません。
できるだけ原料に近いものを手に入れ、自分で手作りするのが最も安心で効果が高いでしょう。
アサイー自体にあまり味はなく、すこし鉄っぽいような風味があります。
ピューレやパウダーをスムージーに混ぜたり、アサイーボウルを作る他に、サラダにかけたりドレッシングに混ぜたりして様々な使い方ができるのも魅力です。
詳しいレシピなどはLesson28-10を参考にしてください。