ヤーコンの歴史
ペルーやボリビアなどのアンデス高地原産のヤーコンは、ひまわりの遠い親戚にあたるキク科の植物です。
さつまいもに似た根の部分は、インカ帝国の時代から栽培され食用にされてきた歴史を持ち、その歴史は700年に及びます。
現在ではコロンビアからアルゼンチン北西部に主に生育しています。
日本には1985年頃に伝わったとされていますが、当初はその栄養成分が分からず、普及しませんでした。
しかし、その後の研究により、現在調べられているあらゆる野菜の中で、フラクトオリゴ糖の含有量がトップクラスであることが分かり、現在注目を集めています。
特徴と栄養成分
豊富なフラクトオリゴ糖
ヤーコンに最も特徴的なのはフラクトオリゴ糖の含有率です。
ヤーコンの根は自然界で最もフラクトオリゴ糖を含んでいるとされています。
フラクトオリゴ糖とは、砂糖の分子構造に果糖が1~数個結びついた状態の分子構造の糖を指し、タマネギやゴボウなど主に野菜に含まれている糖です。
フラクトオリゴ糖は善玉菌を増やしたり、広範な善玉菌の栄養となったりと、腸内環境を整えるために重要な役割を果たし、腸内フローラを整えます。
また、プレバイオティクス(プロバイオティクスとは別物。消化器官内で分解や吸収されることなく、腸内の善玉菌を増殖させる物質)としての役割を果たし、これによりミネラルやビタミンB群の吸収率が高まり、プロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌など)の成長が促進され便秘解消に繋がります。
血糖値を上げない甘味料
ヤーコンは芋としての利用だけではなく、その甘味を活かしてヤーコンシロップのような甘味料にも加工されています。
ヤーコンシロップはその約30%がフラクトオリゴ糖です。
私達の体はこのフラクトオリゴ糖を分解する酵素を持たないとされており、ヤーコンシロップの甘みはほとんど代謝されません。
そのため、摂取カロリーとしては極めて低くなります。
また2004年の研究により、ヤーコンシロップは空腹時に摂取しても血糖値が急上昇することがなく、ほとんど影響を与えないことがわかっています。
これらのことから、ダイエットや健康にメリットの大きい甘味料であると期待されています。
- フラクトオリゴ糖
- ポリフェノール
- クロロゲン酸
- フラボン類
- ミネラル
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- カテキン
- βカロテン
- 食物繊維・・・など
期待できるメリット
- 腸内環境改善
- 便秘解消
- プレバイオティクスとしての働き
- コレステロール値、中性脂肪・血糖値・血圧を低下させる
- 脂肪代謝を促進
- 免疫向上
- デトックス作用
- アンチエイジング・・・など
選び方・利用方法
ヤーコンシロップはまだ一般的なスーパーには置かれていないことが多いですが、一部の健康食品店や通信販売で入手することができます。
砂糖に比べて少しだけ味に癖があると感じる方もいますが、甘味料として使用する場合にはさほど差し支えません。
ハチミツやメープルシロップのように、スイーツ作りに利用したり、ナッツミルクやヨーグルト、飲み物に加えたりして、1日スプーン1杯程度を摂取するとよいでしょう。
日本でも北海道や香川を中心に栽培されており、10〜12月にかけて収穫されます。
それから一ヶ月ほど保存され、旬の食べごろは11~2月頃となります。
ヤーコンは生でも食べることができ、コールドプレスジュースにも使用されます。
またキンピラなどに調理してもそのシャキシャキの食感を楽しむことができます。
詳しいレシピなどはLesson28-14を参考にしてください。