Lesson5-2ヘンプ(Hemp)②

前ページで学習したヘンプシードのポイントを、改めて復習してみましょう。
ここではさらに、使用上の注意や選び方、実際の使い方について解説します。

期待できるメリット

  • 6種類全ての必須脂肪酸が含まれている
  • オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸が理想的なバランスで含まれている
  • 豊富で高品質なタンパク源
  • LDLコレステロール値、血糖値のコントロール
  • アトピー性皮膚炎への治療効果
  • 関節炎への治療効果
  • アンチエイジング効果

使用上の注意

現在の主要ヘンプはカナダ産

現在、アメリカのほとんどの地域ではヘンプ栽培は違法とされており、日本国内においても、ヘンプ栽培には特別な許可が必要となっています。

そのため、現在流通しているほとんどの製品は、カナダからの輸入品となります。

非加熱で取り入れ、開封後はできるだけ早く消費する

前Lessonでも学習したように、ヘンプには豊富で良質な脂質が含まれていますが、植物性の脂質は酸化に弱いという特徴を持ちます。
そのためヘンプシードやヘンプオイルを食事に取り入れる場合には加熱は避けましょう
加熱によりオイルが酸化するとせっかくのメリットが十分に享受できません。

また、開封後はしっかりと密閉して空気に触れないようにし、できるだけ早く消費するとよいでしょう。

選び方

Healthy Organic Hulled Hemp Seeds in a Bowl

信頼できるメーカーの、良質なヘンプ製品を選ぶようにしましょう。

ヘンプシードの場合は、硬い殻を剥かれている状態で密閉されています。
製品に含まれる黒や緑の粒はヘンプの殻や薄皮なので、心配する必要はありません。

ヘンプパウダー製品やヘンプオイルなどは、ホールのヘンプシードよりも一段階加工を加えているため、酸化が進むスピードが早くなります。
できるだけ製造年月日が新しいものを選ぶとよいでしょう。

またヘンプオイルは、低温圧搾・コールドプレス製法のものを選ぶようにします。

今代替ミルクとして注目を集めている植物性ミルクには、ヘンプミルクも含まれます。
製品化されたヘンプミルクを購入する場合には、添加物が少ないものを選びましょう。

味をととのえるための甘味料や香料、乳化剤や植物性油脂が添加されているものは避けた方が無難です。

ヘンプ製品

現在、日本ではインターネットや健康食品店にて様々なヘンプ製品を手に入れることができます。またヘンプ製品には食品だけではなく、コスメやボディケア製品も多数存在します。

日本で入手しやすいヘンプ製品

  • ヘンプシード(脱穀済み)
  • ヘンプシードパウダー
  • ヘンプシードオイル
  • ヘンプミルク
  • ヘンプオイルシャンプー
  • ヘンプオイルコスメ・・・など

また、海外ではホール状態でのヘンプやヘンプバター、動物性乳製品を使用しないローフードのヘンプアイスクリーム、ヘンプシードビールなども販売されています。

利用方法

ヘンプ製品は、タンパク質摂取源として豊富なメリットがあります。

摂取目安

タンパク質が豊富なヘンプは、年齢や日常生活における運動量などにおいて摂取目安が異なります

  • はじめて摂取し始める方や2〜9歳の子供:1日10〜30g程度
  • 10〜18歳の青少年:30〜50g程度
  • 成人:50〜70g程度
  • アスリート(日常的にハードトレーニングをする方):〜140gまで

マクロビオティックやベジタリアン食を取り入れている方にとって、タンパク質摂取は非常に重要となります。
自身の運動量や生活レベルなどをしっかりと考慮し、十分なタンパク質を摂取しましょう。

おすすめの楽しみ方

ヘンプシードは、そのままごはんやサラダにふりかけたり、お浸しに和えたりと、ごまのように使用することができます。
またスムージーに混ぜたりドレッシングに加えたりすることで、摂取しやすくなります。

他のナッツやシード類よりも特殊な香りがすると感じられる方が多いため、使用量は少なめからはじめ、少しずつ増やしていくようするとよいでしょう。

  • サラダやごはんにヘンプシードをふりかける
  • ヘンプシードを撹拌しヘンプミルクを作る
  • スムージーにヘンプシードやヘンププロテインを加えて撹拌する
  • スムージーのトッピングとして用いる
  • 手作りのグラノーラに最後にプラスする(ヘンプは加熱しない)・・・など

詳しいレシピなどはLesson28-3を参考にしてください。
スムージーや食事に気軽に加えられるので、取り入れやすいスーパーフードの一つです。

保存方法

開封後は酸化しないように、しっかりと蓋を閉め、早めに使い切るようにしましょう。
またヘンプオイルなどは光酸化が起こる可能性もありますので、冷暗所で保存し早めに使い切るようにします。