Lesson4-1 マカ(Maca)①

Maca Powder (Flour)

学術的分類:アブラナ科
学術名:Lepidium meyenii Walp(レピディウム メイェーニ  ワルプ)

日本で「マカ」と聞くと、男性が引用する精力ドリンク剤をイメージされる方が多いようです。
しかし、スーパーフードとしてのマカは、男女関わらず大変に注目すべき食材です。

 

特徴

マカの歴史はとても古く、インカ帝国時代まで遡ります。
栽培の歴史は2000年とも3000年ともいわれており、アンデスの高地では伝説の作物として珍重されてきました。

その滋養強壮自然治癒力を高めるという素晴らしい効能はインカ帝国時代から知られており、インカ帝国絶頂期には、インカの戦士達は闘いの前には必ずマカを食べたという伝説も残っています。

その栄養価の高さは近年大変注目されており、アメリカのNASAでは宇宙飛行士の食料として使用されはじめています。
宇宙という過酷な環境下において、宇宙飛行士たちが身体能力や瞬発力、思考力を維持するために役立つとして今後も注目が高まっていくと考えられます。

マカが育つ過酷な環境

主なマカの栽培地であるアンデス高地は、とても過酷な環境です。
海抜4000m級の低酸素地域であり、樹木はなく、太陽の光や紫外線が強烈、強風と急激な気温の変化が重なる荒涼地帯です。

そんな過酷な環境の中で育つマカだからこそ、強い生命力と高い栄養価を備えているとも言われています。

マカはアブラナ科植物の根

マカはブロッコリーやキャベツなどと同じアブラナ科の植物であり、スーパーフードとして利用されるのは主に根の部分です。
大根と似ていますが、その色は様々で、黄色がかった白色、黄色、紫、紫の筋が入ったものもあります。

この根を乾燥させたものが、私達もよく見かけるパウダー状のマカとして利用されるのです。

栄養成分

はるか昔から、マカは滋養強壮や免疫力の向上、精力剤として珍重されてきました。
クコの実やAFA ブルーグリーンアルジーと同様に、マカも強力なアダプトゲンに分類されています。

※アダプトゲン・・・ストレスや疲労感などの肉体面、不安などの精神面に対する抵抗力を強め、身体の機能を正常にする作用がある天然ハーブ。

豊富なアミノ酸とミネラル

日本で手に入るマカは主に乾燥させたパウダー状のものが多いでしょう。

乾燥マカパウダーは、炭水化物、タンパク質、食物繊維で主に構成されており、炭水化物は約59%、タンパク質が10%強、食物繊維が8.5%となっています。
その中でもこのタンパク質の中には7種類の必須アミノ酸と20種類のアミノ酸を含んでおり、ベジタリアン食の方にとっての重要なタンパク源となります。

また、細胞や身体機能を維持するための31種類の微量ミネラルを含んでいます。

精力剤や不妊治療のスーパーフード

多くの栄養素を含むマカですが、その中でもさらに精力剤や不妊治療のスーパーフードとして注目されている理由として、以下のような働きをする成分が豊富に含まれていることが挙げられます。

  • 亜鉛・・・生殖細胞の発育に欠かせないミネラル
  • アルギニン・・・成長ホルモンの分泌を促し、精子を増やす
  • リジン・・・受精率を高める
  • アルカロイド・サポニン・・・恒常性維持機能を高める

天然の精力剤とも言われるマカですが、年齢と共に減少する体内ホルモンや生殖ホルモンの分泌を活性化することができます。

また、ホルモンバランスを整える効果も期待されており、生理不順の女性がマカを摂取することで、周期が整ったりPMS症候群の症状が軽減されたり、気分のムラやホットフラッシュなど更年期障害の症状も軽減されることが期待されています。

媚薬としてのマカ

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媚薬としてのマカの働きや、性機能との関わりについては多くの研究がなされています。
実際にその効果が認められつつあり、「天然のバイアグラ」とも言われています。

マカの発見者であり、マカ研究の第一人者であるグロリア・チャコン博士の研究では、ネズミにマカを投与した実験において、オスネズミでは精子の数の増加、運動性の高まりがみられ、メスネズミでは卵子の卵巣熟成が実証されています。

また研究者の中には、実際に取り入れていく中で、勃起組織の反応の回復・改善を実感されている方が多く、これらはマカにより体内のテストステロン、プロゲステロンやエストロゲンが正常化することによる効果と考えられています。

これは同時に、老化によるホルモン分泌低下を防ぐ働きがあり、男女共にアンチエイジングや健康状態改善の効果も期待できます。

滋養強壮効果・体力増進・免疫力回復効果・アンチエイジング効果

マカは視床下部や脳下垂体、腎臓などに作用し内分泌腺を活性化する作用があります。
これにより、エネルギーや活力が高まり滋養強壮効果や体力増進効果が期待できます。

また内分泌系が適切に機能することは、免疫機能とも大きな関わりがあります。
副腎が疲弊するなどして内分泌系のバランスが崩れると免疫系の問題が起こりやすくなるため、マカによる内分泌系活性化効果は免疫力を高めることにも効果的です。

マカのアンチエイジング効果も、内分泌系が関係しています。
近年の研究により、老化とともに血液や内臓、組織内のホルモンの分泌量が減少することがわかっています。
マカの摂取により、内分泌系やホルモンバランスが整うことで、アンチエイジング効果が期待できます。

日本での研究において、更年期障害やストレスからくる若年性更年期障害に対し行われるホルモン補充療法のひとつとして、マカの効果が十分期待できると発表されており、日本での認知度も近年高まっています。

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その他マカに含まれる栄養成分

  • カルシウム
  • マグネシウム
  • リン
  • カリウム
  • 硫黄
  • ナトリウム
  • 亜鉛
  • ヨウ素
  • セレン
  • ビスマス
  • マンガン
  • スズ
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • リノール酸
  • パルチミン酸
  • オレイン酸
  • シトステロール
  • カンペステロール
  • エルドステロール
  • ブラシカステロール
  • エルゴスタジエノール・・・など

※シトステロール、カンペステロール、エルドステロール、ブラシカステロール、エルゴスタジエノールなどは免疫機能を高める成分