アイリッシュモスの歴史
海藻の一種であるアイリッシュモスは、フィリピンやアイルランド、北米西海岸に生息する紅藻綱スギノリ目ツノマタ属の紅藻です。
古くから海藻を食してきた国として知られている日本ですが、アイルランドやスコットランドなど海の近くで生活してきた人々にとっても、海藻は重要な栄養摂取源となっていました。
アイリッシュモスという名前は、もともとアイルランド人が持ち込んだことが由来とされています。
特徴
ローフード食材としてのアイリッシュモス
どんどん新しい進化を遂げているローフードにとって、アイリッシュモスは欠かせない食材となりつつあります。
アイリッシュモスをゼラチンや寒天の代わりに使用することにより、ロースイーツにとろみをつけたり、ふんわりとさせることができます。
これまでのローフードは、スイーツにも料理にも多量のナッツを使用することにより、日本人にはその重さが気になる方も多くいましたが、アイリッシュモスの使用によりその重さが軽減され、より本格的な味が楽しめるようになりました。
また、ジャマイカなどでは甘く味付けされたアイリッシュモスが販売されており、そのままスムージーやシェイクに利用されています。
現地では精力剤として人気があるようです。
栄養成分
高いデトックス効果
アイリッシュモスの特徴にはその粘着性が挙げられますが、これはデトックスや消化不良を助けることに役立ちます。
食物繊維も豊富なことから、便秘解消による腸内環境の改善が期待でき、また微量元素により細胞のデトックスも促進されます。
甲状腺ホルモンとヨウ素
アイリッシュモスには豊富なカルシウム、マグネシウム、ヨウ素やナトリウムなどが含まれることから、甲状腺ホルモン異常に効果的な海藻として位置づけられています。
甲状腺とは首の前側、のどぼとけのすぐ下にある器官で、食べ物に含まれるヨウ素を材料として甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌する働きを持ちます。
甲状腺ホルモンには、体の発育を促進し、新陳代謝を高める働きがあり、活動するために必要なエネルギーを作り出しているホルモンで、活力ある健康的な生活に欠かせないホルモンです。
甲状腺ホルモンは、多すぎると汗が過剰に分泌されたり動悸が激しくなるなどの不調を引き起こし、分泌過多が要因となる病気としてはバセドウ病などが当てはまります。
逆に少なすぎる場合には、疲れやすく冷え症で気力が出ないなどの不調が出て、一定の分泌量を保つことが重要と言われています。
ヨウ素はこの甲状腺ホルモンの原料として非常に重要であり、またその他様々な病気に対しても有効に働きます。
その他の豊富な栄養素
海藻類に特徴的な豊富なミネラル類はアイリッシュモスにも含まれ、特にカルシウムやカリウム、ナトリウム、マグネシウムなどは、人体の重要器官である脳や骨、臓器を形成するにあたり重要な成分です。
天然のナトリウムは骨の形成、骨格の維持に役立ちます。
また塩化カリウムは喉によい成分とされています。
さらにアイリッシュモスが有する天然の抗菌性や抗ウイルス作用は、風邪やインフルエンザの予防や症状の改善として、また呼吸器系の疾患や肺炎などに有用という報告もあります。
- たんぱく質
- カルシウム
- マグネシウム
- 鉄分
- リン
- カリウム
- ナトリウム
- 亜鉛
- 臭素
- βカロテン
- ビタミンB群
- タウリン
- ヨウ素・・・など
期待できるメリット
強いアルカリ性食品であるアイリッシュモスは、酸性に傾きがちな私達現代人の体にとって様々なメリットをもたらしてくれます。
放射能汚染や肌や内臓の炎症を防ぎ、消化不良や胸焼け、高血圧やコレステロール値の上昇を抑えてくれるのです。
- 甲状腺ホルモンを整える
- デトックス促進
- 消化不良の改善
- 二日酔い
- 美肌効果
- 免疫力向上
- 呼吸器系の症状緩和
- 抗菌効果
- 抗ウイルス効果
- 便秘解消
- 口臭予防
- 血液をさらさらに保つ・・・など
選び方・利用方法
アイリッシュモスには、海藻がそのままの形で乾燥されたものや、すでにペースト状になったアイリッシュモスジェルなどがあります。
乾燥されたものは、水でよく洗い、砂や汚れをしっかりと落としてから使用するようにしましょう。
それらの手間がない分、モスジェルは手軽に利用できます。
アイリッシュモスはそのままスムージーに入れることで、なめらかでクリーミーなスムージーを作ることができますし、ロースイーツに入れることで軽い口当たりのスイーツを作ることができます。
このようにローフードの人気食材となっているアイリッシュモスですが、特に小さい子どもは、消化管の潰瘍を引き起こす可能性があるとの指摘もあります。
ヨウ素の過剰摂取は体に負担にもなりかねないため、一度に多量の摂取は控えるようにしましょう。
週に何度かスムージーに入れて利用する、スイーツに入れて少しずつ食する程度の摂取量では問題ありませんので、神経質になり過ぎなくても大丈夫です。